金融庁 無登録業者 海外
国内で第一種金融商品取引業者として登録を受けている外国為替証拠金取引業者と異なり、海外無登録業者に対して金融庁・財務局は監督権限を及ぼすことはできません。また、日本居住者に対して無登録で口座を開設させる違法行為をあえて行っている悪質な海外FX業者は、そもそもどの国のライセンスも受けていない、純粋な無登録業者も珍しくありません。
しかしながら、そうした考え方は甘く、特段問題が生じていない場合でも、まったくの別件が捜査の端緒になる場合もあります。投資家から苦情が出ていない場合でも、何らかの理由で逮捕されたり、金融庁から警告が発されている例を散見します。また、税と金融監督はほぼ無関係です。
近時において、金融商品取引業の登録を受けていない海外業者とのFX取引をめぐる消費者トラブルが増加しているようです。
金融庁や関東財務局からも注意喚起がなされておりますので、十分にご注意ください。
しかしながら、ターゲットが一般個人向けで、事業者側も金融機関での十分な職務経験がないようなビジネスでは、海外ライセンスは実務上、無意味です。金融庁は、海外所在業者であっても、日本居住者のために、又は日本居住者を相手方として、金融商品の取引を行う場合は、原則として、金融商品取引法上の登録が必要としています。
現代では国際間の規制監督強化もあり、規制当局のエンフォースメントは強化されています。具体的には、金融庁から無登録営業の警告があった場合、当該無登録業者は、海外銀行から銀行口座を閉鎖されたり、外交ルートにより外国金融当局から許認可を取り消しされたり、入出金の際のクレジットカードが提携を切られて利用不可になったり、カバー取引の相手方から取引口座を閉鎖される等の形で、運営手段を封じられ、実質的に営業が不可能になるケースが頻発しています。
他方、海外FX業者のおそらくは半分以上は、実質的には日本居住者が日本居住者向けに国内から提供しており、名義だけオフショア法人になっているケースであると考えられています。自動売買ソフトウエア、連鎖販売取引、オフショア脱税等と組み合わせて、国内でも非常に多数の名義上の無登録海外業者が活動しており、金融庁の警告を見ても、実質的に居住者が日本国内から経営又は関与していると認定された事例が見られます。
財務局・金融庁・証券取引等監視委員会は、無登録営業を行う事業者の情報を常に収集しており、いずれも一般から情報提供を受付しているほか、ネット上の情報も監視しています。そのため、ホームページ等でFXや投資顧問等のサービスを無登録で提供している旨を表示すると、早期の段階で当局から警告される可能性があります。
無登録業者の中でも、比較的著名な大手業者もありますので、そうした業者は存在そのものが詐欺という訳ではないと思いますが、マイナーな業者は、そもそも投資家の資金をだまし取るための詐欺業者である可能性も十分あります。そのため、金融庁、金融先物取引業協会が注意喚起を行っているほか、国民生活センターサイトにも相談事例が掲載されています。
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