FX レクチャー 本物

FX取引では、めまぐるしく変化する為替相場の中で売り時・買い時の判断が難しいことに加え、資金決済の仕組みも複雑です。このため、「最適なタイミングで売買できます」とうたう自動販売ソフトの販売が詐欺の手口として多用されています。今回の事例では、FX取引はおろか、一度も投資をした経験のない被害者が、難しい取引はソフトに任せればよいと、ハイリターンであることばかりを強調する販売業者のセールストークを信用し、資産を増やしたいとの思いから、よく考えないままプログラムソフトを購入してしまいます。ソフト自体は簡単に操作できるので、なんとなく自分でも取引ができるような気持ちになり、指示されるまま証拠金を海外の業者の口座に送金してしまいます。

今回の事例では、購入した自動売買ソフトの購入は電話勧誘による契約のため、消費者契約法のほか特定商品取引法（特商法）が適用され、クーリング・オフ、不実告知による取消が可能ではあるものの、海外のFX取引業者ともども実態は不明で、連絡が取れなくなるとお金を取り戻すことは困難です。こうした被害に遭わないためには、業者の登録の有無はもちろん、業者に関する情報を集め、信頼できる業者であるかどうかを確認しましょう。また仕組みが理解できない取引には手を出さないことです。なお、金融商品取引業者の登録一覧や、海外所在の無登録業者（金融庁が警告を行った者）については金融庁のホームページで公表されています。困った場合は速やかに地元の消費生活センターに相談しましょう。