例えば 一般的な証券会社などが第一種金融商品取引業者に該当します
有価証券の募集若しくは売出しの取扱い又は私募の取扱いは、いわゆるブローカー業務であり、対象がみなし有価証券の場合には第一種金融商品取引業者ではなく、第二種金融商品取引業に位置付けられます。実際、取扱い業務を行う第二種金融商品取引業者は、登録申請書の有価証券関連業の欄に〇を付して登録申請をすることになっており、第二種金融商品取引業者も広く有価証券関連業を行っています。
第一種金融商品取引業は、流動性の高い株式や債券などの「有価証券の売買・勧誘」又は「引受け」や、顧客から資金や有価証券を預かって管理する業務を行います。例えば、一般的な証券会社などが第一種金融商品取引業者に該当します。
第二種金融商品取引業は、第一種金融商品取引業の取り扱う有価証券よりも流動性の低いものを販売・勧誘する業務を行います。例えば、「信託受益権」や「集団投資スキーム持分」などの販売・勧誘が業務の対象になります。
土地や建物の抵当権を証券化した「抵当証券」や多くの投資家から資金を集めて事業を行ない、その投資利益を分配するなどの「集団投資スキーム持分等の募集(俗に言うファンドの形成とその運営)」や私募債の募集など、おおむね法的に「第一種金融商品取引業」に含まれない金融商品取引が、第二種金融商品取引業と規定されています。
登録要: 第二種金融商品取引業。ただし、投資勧誘を第一種金融商品取引業者である販売会社(B)に委託して行う場合は、登録不要。
金融商品取引業は、「第一種金融商品取引業」「第二種金融商品取引業」「投資運用業」「投資助言・代理業」の4つに分かれます。これら4つの業務内容について、それぞれ見ていきましょう。
「旧証券取引法」に規定されている証券業に近い取引のことを指します。有価証券等の売買やその仲介・代理を行なうこと、あるいは国内外の市場でのデリバティブ取引やその仲介・代理も「第一種金融商品取引業」に含まれます。
・ 投資運用会社(X)が、管理会社(A)より委託を受けて運用する外国籍の信託型又は会社型ファンドの持分(外国投資信託の受益証券(法2条1項10号)・外国投資証券(同項11号))の投資勧誘(募集又は私募の取扱い(法2条8項9号))を行う場合、投資運用会社(X)は、原則として、第一種金融商品取引業の登録が必要となります(法28条1項1号、29条)。
・ また、ファンドの投資勧誘(募集又は私募の取扱い(法2条8項9号))を国内の第一種金融商品取引業者である販売会社(C)に委託し、自らは勧誘行為を行わない場合は、投資運用会社(X)(及び管理会社(A))は投資勧誘について登録を受ける必要はありません。
また、適格投資家向け投資運用業者が運用を行う投資信託や投資法人に係る受益証券・投資証券等の募集又は私募の取扱業務に関しては、本来は第一種金融商品取引業に該当するところ、いわゆるみなし第二種金融商品取引業として、第二種金融商品取引業の登録を受ければ行うことができるという緩和的規制が設けられています。
他方で、第一種金融商品取引業者でも通貨関連店頭デリバティブ取引を行ういわゆるFX業者は、有価証券関連業を行う者には該当しません。そのため、FX等の金融先物取引専業業者は商号に「証券」と名乗ることはできず、また、有価証券関連業を行う第一種金融商品取引業者と異なり、適格機関投資家の要件に該当しないことから、FX業者は当然には適格機関投資家等特例業務を行う際の適格機関投資家になることはできないといった実務上の違いが出てきます。
ただし、第一種少額電子募集取扱業務及び第二種少額電子募集取扱業務に該当する場合には、同業の登録を受けることにより、特例として、一定の少額の募集の場合に限り、第一種金融商品取引業及び第二種金融商品取引業の登録をせずに有価証券の取扱いを行うことができます。
さらに、こうした有価証券の取得申込をオンラインで受け付けする場合には、電子申込型電子募集取扱業務に該当します。その場合、本則となる第一種金融商品取引業又は第二種金融商品取引業に併せて、電子申込型電子募集取扱業務として登録を受けることになります。
あくまで資産運用に特化した業務種別ですので、集団投資スキームの販売(募集又は私募及び募集又は私募の取扱い)又は自らを委託者とする投資信託受益証券の募集又は私募を行うには、第二種金融商品取引業の登録が必要です。また、自らが投資一任契約に基づき運用する投資信託受益証券の販売は、募集又は私募の取扱いに該当して、第一種金融商品取引業が必要になります。投資信託の運用を行う投資運用業者は、多くの場合、販売を担当する証券会社と連携してセールスにあたります。
・ 投資運用会社(X)が、自ら、投資家(A)に対して、自己が設定・運用する投資信託(法2条1項10号)の投資勧誘を行う場合(自己募集等(法2条8項7号イ))、第二種金融商品取引業の登録が必要となります(法28条2項1号、29条)。これに対して、当該投資信託の投資勧誘(募集又は私募の取扱い(法2条8項9号))を第一種金融商品取引業者である販売会社(B)に委託し、自らは勧誘行為を行わない場合は、投資勧誘に係る登録は不要となります。自己募集等や募集・私募の取扱いについては(参考1)(1)(注3)もご参照ください。
コメント