45歳から 金持ち になる
1億円を貯めるには単純に考えると給料の半分を貯めることになり、それはかなりハードルの高いことといえるでしょう。
例えば、20年間で年間250万円ずつ合計5000万円ほど積立投資に回し、その運用結果で1億円になるといったケースです。運用に回す金額の年間250万円は決して小さくありませんが、日常で無駄な支出をしないなどの支出管理で、投資資金を捻出し、着実に運用できているようです。
といった点に注目するようになったためです。
後で振り返ってみると、こう考えたことは大正解でした。実際に定年退職してみて実感したのは、リタイア後に一番必要なことは「きょういく」と「きょうよう」だということです。教育と教養でありませんよ。「今日、行く(きょういく)」ところがあるか、そして「今日、用(きょうよう)」があるかどうかが大切ということです。言い換えれば自分の「居場所」があるかないかが、幸せな老後をおくれるかどうかの決定的な違いになってくるのです。
俗に老後の3大不安といわれるのが「健康」「お金」「孤独」です。このなかで圧倒的に深刻な問題なのが実は「孤独」だということが、定年後に身に染みました。
健康やお金が大事だというのは、誰にでもすぐ分かります。ところが現役時代は毎日会社に行っていますから孤独に陥ることはないのです。そのため健康やお金に対しては気をつけている人は多くても、孤独を恐れてそのために準備をしているという人はあまりいません。その分余計に、退職した後に強い孤独感に襲われ、憂鬱な退職後の人生をおくらざるをえないということになりかねないのです。
iDeCoは、60歳未満の方限定で老後資金を毎月5,000円から積み立てすることができる制度です。
注目したいのが、iDeCoの掛け金は全額「所得控除」になる点で、言い換えると所得税や住民税を減らすことができるのです(*2)。
ここにはいられないと、半年後に退社。セミナー講師として独立し、軌道に乗るまでには1年近くかかりましたし、その間は全く収入がない時期もありました。もっと早くから準備しておけばこんなに苦労せずに済んだのにと思ったことも、たびたびでした。
一方で、定年退職後の生活には予想よりもお金がかからなかったことには助けられました。現役時代に当然のようにおこなっていた生活習慣も見直すことで、かなり収支は楽になりました。したがって、収入がなかった時もそれほど深刻ではなかったのです。
驚かれるかもしれませんが、それでも実は、老後についてさほど心配はしていませんでした。もちろん、退職金や企業年金、公的年金が出るということが大前提としてありました。定年の2年前から自分で家計簿をつけ、1カ月のおよその生活費を把握していたのも大きかったです。
したがって2019年に「2000万円問題」が話題になった時も「なぜ、あんなことが話題になるのだろう?」と不思議に思っていました。私自身は、ぜいたくはできないけれど、食べていくくらいならなんとかなる。だから定年後は一切仕事はやめて、趣味を中心に好きなことをやって残りの人生を楽しもうと考えていたのです。
「投資の達人になる投資講座」は無料で、オンラインで場所と時間を問わずに学習することが可能です。
例えばよくいわれる、「定年退職時に3000万~4000万円ないと老後は破産する」は間違っていると分かりました。実は、私は定年退職時に預貯金がたったの150万円しかありませんでした。娘ふたりを中学校から大学まで私立に通わせ、高校時代はそれぞれアメリカとオーストラリアに留学。おそらく教育費は普通よりもかかったほうだろうと思います。そのうえ、父が商売に失敗し、その借金の肩代わりもしたため、お金は本当になかったのです。
繰り返しになりますが、投資信託は価格変動等のリスクがあります。運用がうまくいかなかった場合、元本割れとなってしまうことがあるので注意が必要です。
ところが定年が近づくと、少し考えが変わってきました。趣味だけをやっていても、毎日がつまらないのではないか? 少しでも働いたほうが、精神的にも肉体的にも健康を保てるし、だいいち収入があるのだから生活の足しになる。そう思うようになったのです。誰もが「老後は不安だ」といいますが、老後が不安なら、老後をなくせばいいのだと思いついたのです。人は働くことをやめたときから老後が始まるのだから、可能な限り働き続けたほうがいい、と考えるようになりました。
定年女子としての時間をどんなふうに過ごすか、自分らしい生活と自由を守るには、お金と上手に付き合う知恵が必要となります。
何より覚悟しておいてほしいのは、前述したとおり、女性は結婚していてもしていなくても、最後は「おひとりさま」になる可能性が高いということです。
25ページのグラフを見てください。平均寿命と健康寿命の差は、男性は9年。女性は約12年あります。
健康寿命とは、WHO(世界保健機関)が発表している、ひとりで生活できる年齢のこと。つまり、人の助けを必要として生活する期間が男女ともに10年程度あるということです。結婚していてもしていなくても、女性は人生の最後の時期を健康でない状態でひとりで生きる可能性が高いのです。そのとき頼りになるのは、やはりお金です。病気や介護はお金で解決できることが多い。これは、社会保険労務士としての実感です。むやみに心配することはありませんが、不安を不安のままにしておかず、準備をしておけばいいのです。
この本でこれから、大江さんと一緒に、定年後の不安を解いていきたいと思います。
「投資の達人になる投資講座」はこれまで30万人以上が参加。
その後、「積立額(元本)から+20%の利益が出たら売却」というルールで、景気の循環にあわせて2~3年に一度利益を確定させながら運用するようになりました。また、投資信託を売却して再び投資信託に投資する際には、売却で増えた資産も上乗せするほか、毎月の積立金も、+26万円、+35万円と増額していきました。
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