暗号資産(仮想通貨)の半減期とは?
今回のニュースレターでは、暗号資産該当性(後記1.)及び暗号資産交換業該当性(後記2.)を中心に、本改正及び本パブコメ回答の内容について説明します。
今回の内閣府令改正まで、暗号資産のカストディ業務を行うためには、「暗号資産交換業者」として内閣総理大臣の登録が必要でした。
暗号資産業界では、法律で適切に規制することで投資家保護を図るとともに、世界と戦える企業を育てていくことが重要でしょう。
2022年6月1日からは、暗号資産交換業者は3000万円相当額をこえる暗号資産の売買・ 交換の媒介等を行った場合には、20日以内に日本銀行を経由して財政府に報告する義務が課されました。なお、当社においては、現在のところ、媒介等の取引サービスをご提供しておりませんので、お客様の取引内容や情報等について事後報告書を提出することはありません。
6月10日公布の改正資金決済法と併せて、信託銀行は電子記録移転有価証券表示権利等(セキュリテトークン)と電子決済手段(ステーブルコイン)、暗号資産といった一通りのデジタル資産をカストディ業務として取り扱うことができるようになります。
2017年に暗号資産自体の規制が始まり、2020年5月にはデリバティブや投資的性格を持つものとの区別がされ、そして「グレーゾーン」とされていたステーブルコインに関しても規制が及ぶなど、2022年に入って、徐々に暗号資産全体に規制が整えられてきているといえるでしょう。今後は人材の海外流出が課題となっていること等から、課税面での整備が待たれます。
また、金商法上の金融商品として暗号資産が追加されたことで、暗号資産に関する店頭デリバティブ取引またはその媒介、取次、代理を業務とする場合には第一種金融商品取引業者の登録が必要になりました。以前は暗号資産デリバティブ取引に関しては法規制が及んでいませんでした。規制がされていないと、市場参入がしにくく、プレイヤーが育ちにくいため、現物取引以外にも規制が及んだことは大きな進展でした。
暗号資産交換業者が独自に発行する取引所トークンという暗号資産(仮想通貨)が注目されています。本稿では、注目度が高まる取引所トークンについて詳しく解説していきます。
2022年8月31日には、金融庁と経済産業省が共同で2023年度の税制改正要望を発表しました。暗号資産(仮想通貨)の期末時価評価課税の見直しを進める意向を明記したものです。
さらに2022年に出された税制改正要望は、投資家保護というよりも、暗号資産業界の発展のために欠かせないものです。変化が早い暗号資産業界にとって、法整備を進めなければ有力な企業や人材の海外流出につながってしまいます。
顧客が暗号資産交換業者に対し説明義務違反に基づく損害賠償請求を行う際には、顧客側により具体的な説明義務の存在を立証する必要がありました。そこで、金融商品販売法の改正によって、顧客の負担を軽減するため明示的に販売業者に説明義務を課しました。
2022年にはロシアのウクライナ侵攻を受けて、暗号資産が経済制裁の抜け穴になることへの対応として外為法が改正されたほか、国際的にステーブルコインへの規制に関する声が高まっていることを受けて2022年6月に改正資金決済法が公布されました。
2022年だけでも多くの法改正が行われました。過去に行われてきた資金決済法や金融商品取引法などを改正する目的の多くは投資家保護と適切な市場形成にあったといえるでしょう。2022年に公表された信託銀行による暗号資産(仮想通貨)カストディ業務の認可や、ステーブルコインの規制に関しても今後の市場形成に関わる大きな動きです。
暗号資産(仮想通貨)の半減期とは?
改正によって既存の銀行グループがカストディを行えるようになることで、暗号資産を含めてデジタル資産全般の安心感が高まり、機関投資家が暗号資産に参入しやすくなることが利点として挙げられます。実際に、先行するアメリカでは信託業務を大手銀行などが行うことによって機関投資家の参入が増加し、ビットコイン価格に好影響を与えたとの指摘もあります。
コメント