仮想通貨 総平均法 年またぎ
仮想通貨を年度をまたいで持ち越した場合、期首残高分について2021年の取得価額を総平均で算定し期首分に引き継ぎ2022年分に新たに購入した分を合わせて総平均で算定することとなります。
タイトル:今年の申告で将来が決まる! 仮想通貨の税務対策~2018年3月確定申告対応版~ 著者:鹿 剛小売希望価格:電子書籍版1000円(税別)/印刷書籍版1500円(税別)電子書籍版フォーマット:EPUB3/Kindle Format8印刷書籍版仕様:A5判/カラー/本文94ページISBN:978-4-844398189発行:株式会社インプレスR&D概要:本書はビットコインなどの仮想通貨を確定申告でどう取り扱うか、税務当局の最新の見解をもとに専門の税理士が監修した日本初のガイドブックです。取得価額の決め方や法人と個人のメリット/デメリットなどについて、タックスアンサーの例示を筆者が丁寧に解説。今年の申告内容で将来の課税内容が大きく変わる可能性がある2018年3月(2017年分)の確定申告にあわせて緊急出版いたします。また、「INTERNET Watch」上でスタートする当連載コーナーとも連動。ウェブと書籍の双方で情報を活用できます。
すなわち、取得した仮想通貨を法定通貨に交換する、物品やサービスの購入に使用する、他の仮想通貨と交換する、などを行うことなく仮想通貨の取得後に単純に保持し続けているような状態(いわゆる、「ガチホ」といわれる状態)以外は、損益を確定する行為と解釈されます。その場合、当該仮想通貨の取得時の日本円での価格と損益確定にあたる行為の時点での価格が損益となります。
今までのケースでは仮想通貨を1回のみ取得して、売却し、使用し、または他の仮想通貨に交換するというケースでしたが、実際には複数回、それも場合によっては数百回以上も売買しているかたもいるはずです。その場合の取り扱いについて、情報第4号に記載されているケースを通して見てみましょう。
情報第4号その冒頭で、「ビットコインをはじめとする仮想通貨を売却または使用することにより生じる利益については、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分」されるとし、その末尾では、「マイニング(採掘)などにより仮想通貨を取得した場合、その所得は、事業所得又は雑所得の対象」としています。
ただし一般の会社員の方でも、仮想通貨による所得など、給与所得や退職所得以外の所得金額の合計額が20万円以上なら、確定申告をしなければいけません。
仮想通貨取引で利益が出ると、確定申告で申告しなければいけない可能性があります。申告方法や流れを事前に把握して、申告・納税に備えておきましょう。
利益確定をした結果、(1)主たる給与以外の給与の収入金額(これがある場合)ならびに(2)仮想通貨の取り引き結果を含め給与所得および退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超えるに至った場合には、確定申告が必要になります。
マイニング報酬に関する収入の計上金額については、報酬の計上がなされる時点の当該仮想通貨の時価を計上します。具体的には、取引所のレートに基づいて円換算した金額となり、この点は海外の取引所で仮想通貨を購入した場合に使用しているレートと同じレートを使用すべきでしょう。
所得税法59条において、法人からの贈与により取得した資産については、その時の時価により取得したものとして扱われ、課税対象となります(法人からの贈与は贈与税ではなく所得税が課税されます)。従って、時価が取得価額となり、更に、売却、使用、他の仮想通貨に交換した際には、売却金額との差額が損益として認識され、課税されることになります(この構造は後述する「仮想通貨のマイニングと同じような構造になる」と記憶していただくのが良いと思います)。
仮想通貨の年間利益を計算する際に、シンプルかつよく利用されるのが「総平均法」という計算方法です。「総平均法」とは、1年間で購入した仮想通貨の金額と、売却した金額の差額から所得を計算する方法です。
[*1]……【仮想通貨の取引に関する利益は譲渡所得?】「仮想通貨の取引に関する利益は『譲渡所得』なのではないか?」という異議を唱えている税理士の方がいます。高橋創(たかはしはじめ)税理士です(「ASCII.jp」2018年2月9日付記事)。筆者も、個人的には、譲渡所得という解釈が正しいのではないかと思います。譲渡所得は雑所得と違い、損失が出たときは原則として他の所得と通算することができる点が異なります。「利益が出ているときは譲渡所得であれ雑所得であれ結果は変わらないので、あまり目くじらを立てるところではないかもしれませんけど」とされていることにも同意見ですが、法律の解釈としてはスッキリしないなと思っています。
・例えば2021年に購入した仮想通貨を2022年に売却して同年にまた仮想通貨を購入した場合、売却益から2021年と2022年の購入費用の平均を引くのでしょうか?
それとも2022年に売却した仮想通貨と対応する2021年の購入費用の平均だけを引くのでしょうか?
問1では、0.2BTCを110,000円で売却、問2では、9月28日に155,000円の商品購入のために0.3ビットコインを使用し、問3では、11月2日に他の仮想通貨(時価600,000円)購入の決済に1ビットコイン(支払手数料を含む。)を使用しています。
所得区分としては、エアドロップによる仮想通貨の取得時においては、一時所得または雑所得(事業所得)のいずれかに分類されます。一時所得については、法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものは除きます。) が含まれます。以上から、継続的に受けるものではないものは、雑所得(事業所得)になります。
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