暗号資産交換業者は金融庁・財務局への登録が必要です
「システム安定性」は、暗号資産交換業において利用するシステム、とりわけ顧客向けシステムが安定して稼働するかどうかです。とくに取引所形態だと、システムダウン等の障害は直接的に顧客損失に繋がりますので、こうした問題が起きない体制を取っているか、また起きた場合には万全の対応を取れるかどうかを金融庁は厳しく審査します。
かつてのICOブームでは、流通性の実態若しくは販売方法が、法的に見てかなりグレーだと思われる独自仮想通貨も盛んに発行されていました。こうした問題ある独自仮想通貨を金融庁に取り扱いを認めてもらうのは至難の業でしょう。
金融庁HPでは、「仮想通貨交換業の新規登録申請の審査等に係るプロセス及び時間的な目安」が公表されています。同資料では、主要プロセス開始から登録まで概ね6か月とされていますが、実務上は1年を超える可能性が高いと考えられます。
前記のように、新たなコインの上場の判断について、ガイドラインで審査項目自体は示されています。
しかし、最終的に適切かどうか、つまり利用者保護に欠けることがないか、という判断がはっきりできるとは限りません。むしろ、数多くの種類の仮想通貨について、適切かどうかを明確に判断できないものがほとんどだと思います。
このような事情があるので、前記のように、金融庁としても、極力、業界団体として検討して統一的な判断をすることを希望しているのでしょう。
いずれにしても、ホワイトリストにない新規コインの上場の際は、金融庁にしっかりした資料を揃えて適切性が認められるような説明をする必要があります。
これにより、令和3年末を頂点として暗号資産価格は長期低迷するとともに、令和4年後半のいわゆるFTX事件が象徴する業界の冬の時代入りを受けて、金融庁は暗号資産交換業者の新規参入に極めて抑制的な姿勢を示しています。
金融庁が公開している事務ガイドラインなどによると、次のように暗号資産の売買に関する適切性を判断しています。
Basset が提供する暗号資産リスク スコア API は、行動分析リスク モデルにより、顧客による暗号資産の預入れ・引出し時における資金の性質と取引関係者のリスクを数値評価します。金融庁、FATF、JVCEA (日本仮想通貨交換業協会) や自主規制の要件を満たせるよう、貴社のモニタリング業務をサポートします。
近年、国際社会においてますます高まるテロ等の脅威に対して、金融機関におけるAML/CFTへの取り組みは、強化しなければならない課題のひとつとなっています。このような環境において、わが国のAML/CFT対策は2019年に実施された金融活動作業部会 (Financial Action Task Forcei)による第4次対日相互審査において「重点フォローアップ国」と評価され、「多くの面で改善の余地がある」との指摘を受けました。とりわけ金融機関のAML/CFTに関するリスク認識について、「限定的」との厳しい評価がなされていますii。この結果を踏まえ、国を挙げてAML/CFTへの取り組みを強化・加速すべく、金融庁は、AML/CFTに関するガイドラインにおいて対応が求められている事項の完了期限を2024年3月末に設定しましたiii。
特定のトークンを、既存の登録済み暗号資産交換業者に取り扱ってもらう場合、届出プロセスの中で、金融庁の事実上の審査があります。こうしたプロセスでは、個別の暗号資産の適切性や健全性を、個別具体的に疎明する必要があります。
どのような理由でホワイトリスト入りするのか、金融庁は具体的な条件を明記しているわけではありません。
以上のような金融庁の上場審査というハードルが課せられるのは日本の交換所への上場の場合です。
日本以外の国(エリア)の交換所では、その国の法令(規制)が適用されます。
実務的には、上場しやすい国で先に新コインを上場する手法をとることもよくあります。外国での取引の実績が作られれば、その後日本の交換所で上場する場合には『認可』される方向に大きく働きます。
なお、海外の交換所で上場した際に、多くの日本国内の居住者が新規コインを購入するようなことがあると、新規コインの販売や交換サービスの提供が日本の資金決済法違反となる可能性もあります。詳しくはこちら|日本国内居住者向け仮想通貨交換サービス(日本での営業)の判断基準
その後の日本での上場審査ではいろいろな意味でマイナス方向に働くことになってしまいます。
一方で登録が完了している取引所は、少なくとも金融庁の定める基準をクリアしているため、利用者は、これらの取引所で取引を始めることによって取引所に関するリスクを最小限に抑えることができるます。
なお、暗号資産交換業は、金融庁暗号資産モニタリング室が地方財務局と一体となって連携しつつも、事実上、直接規制監督しているところが金融商品取引業者と異なります。 財務局監理の中小の金融商品取引業者にとって、金融庁はやや縁遠い存在ですが、暗号資産交換業者は、例え地方財務局長登録の業者であっても、金融庁と頻繁に連絡を取って業務を遂行する必要があり、また新規登録の申請も、基本的には金融庁が直接審査をすることになります。
◎金融庁ウェブサイトでは、ICOの利用者及び事業者に対する注意喚起を掲載しています。
暗号資産(仮想通貨)は、日本円やドルなどのように国がその価値を保証している「法定通貨」ではありません。インターネット上でやりとりされる電子データです。 暗号資産(仮想通貨)は、価格が変動することがあります。暗号資産(仮想通貨)の価格が急落したり、突然無価値になってしまうなど、損をする可能性があります。暗号資産交換業者は金融庁・財務局への登録が必要です。当社は登録した暗号資産交換業者です。 暗号資産(仮想通貨)の取引を行う場合、事業者から説明を受け、取引内容をよく理解し、ご自身の判断で行ってください。暗号資産(仮想通貨)や詐欺的なコインに関する相談が増えています。暗号資産(仮想通貨)を利用したり、暗号資産交換業の導入に便乗したりする詐欺や悪質商法に御注意ください。
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